✿ 仙台事件簿 ﾊﾞｲｸ編 ✿

おまたせ。  仙台の話。

僕は19歳～25歳まで仙台に居た。

そこでは、様々な人間模様、働く喜び、怒り

義理人情、恋の話、裏切り、友情、等々

一気に大人の色んな体験をたくさんした。

前回はバイト編で聞いた話、好評につき

今回は仙台在住中に体験したある話をする

前回夜のバイトの話、そもそもは例の地元

秋田の女友達の紹介で、その女友達が働く

クラブのウエイターをした。前回のバイト

の話には出さなかったけど、実は同じウエ

イターで先輩がいた。

その先輩は自分より年が2つぐらい上だっ

たと思う。福島県出身でなまりが面白かっ

た。名前、名前は忘れたんだよなー。

とりあえずその先輩を「 M先輩 」とする。

実は、その先輩と出逢ってバイトをする

目的が変わったのだ。最初は単なる遊ぶ

金づくりが目的だった。

M先輩はバイクのプロレーサーを目指して

いた。月に１回ペースでバイクをワゴンに

積み、西仙台ハイランドレースウェイで練

習する。俺はそれに便乗してタイム計測を

する係りをしていた。

M先輩は確か、国内B級ライセンス125ccで

レースをしていたはず。乗ってたRC125cc

がめちゃめちゃカッコよくてな。

気付くとバイト目的が、遊ぶ金づくりから

バイク購入へと変わっていた。

Ｍ先輩はとてもよく僕の面倒をみてくれた。

バイトの中では、自分とは対照的に、とに

かく上司スタッフとは仲が悪かった。毎回

毎回バイトの度に上司と一触即発。

その様子を毎回ビビッて見ていた僕。

３か月ぐらい経ってバイトも慣れてきた

バイク購入も金を貯めてからでは待ちき

れず、結局分割で購入した。

実は僕、それが２台目のバイクだった。

１台目は SUZUKI GSX400-R に乗ってた。

購入したバイクは HONDA CBR400Fだ。

またしても４ストだった。実は２ストの

バイクを探してた ww

バイク購入後というもの僕もテンションが

上がりレーサーを目指すところまではいか

なかったけど、ロードレースにどっぷりハ

マった。M先輩はチームに所属していて、

実際の公式レースがハイランドで開催した

ときは燃えたぜー♪♪♪ その日先輩は転倒し

てリタイアになったけどね。

そんなこんなで、ある日突然M先輩が店を

辞めた。ショック。でも僕はバイクの借金

があるから店をやめることはできない。

M先輩がバイトを辞めたあとも暫く交友は

あったけど、先輩も新しい仕事の関係もあ

り、会う機会も減っていき、その後は全く

会わなくなってしまった。

そんなこんなで仙台在住１年目が終わり

２年目になるころ、親にワガママを言い

寮生活から脱出するべく引っ越しを強行

した。引っ越し先は、皆さん地名ぐらい

は聞いたことがあるであろう「八木山」

だ。そう、ベニ―ランドや動物園、テレ

ビ塔なんかがある仙台の南側に位置する

山だ。

僕が住んだのは５階建鉄骨マンションの

最上階でベランダからはテレビ塔がキレ

イに良く見えた。でもエレベーターが無

かった (T-T)

まーでも人生初の一人暮らしに胸はずませ

残りの学生LIFEをめいっぱい楽しもうとう

かれていたあたり、このあととんでもない

ことが訪れるなんて知る由もなかった。

新居に住んで早数か月

出掛けようと階段を降り、建物脇の駐輪場

に駐輪していたバイクの元へ...

ん？

ん？

ん？

まわりを何度も見渡す

あれ？

バ、バイクがない（;＠＠）

M先輩との思い出が詰まったバイクがねぇ

とりあえずあわてて

M先輩との思い出が詰まったバイクを探す

ために警察に盗難届を出した。

M先輩との思い出が詰まったバイク

ここは仙台、そんな簡単に見つかるわけが

ねぇに決まってる。最悪だ。

M先輩との思い出が詰まったバイクなのに

１か月後...

M先輩との思い出が詰まったバイク

もう無理だべぇ

しょうがねっちゃ　　あ ぎらめっぺぇ

と、思いかけたその時！

M先輩との思い出が詰まったバイク

見つかった！

南太白区の交番にあるという

M先輩との思い出が詰まったバイク

急いで迎えに行った！

交番に着いた

警察官、「 これですね 」

M先輩との思い出が詰まったバイク！

M先輩との思い出が詰まったバイク！

M先輩との思い出が詰まったバイク！

M先輩との思い出が詰まったバイク！

バイク！！！

どああああああああああああああああああ

見事に　族車になっとったあああああああ

どあああああああああああああああああ

給油タンクのフタは工具でグリグリこじ

あけられ、マフラー？そんなもんあるわ

けねーだろ。エンジンかけてみた、今ま

でに聞いたことがないものすごい音がし

た。

「 これ、このままの状態で

　　　　　　乗って帰っていいすか？ 」

一応警官に聞く。

警察官しぶしぶ

「 まー、しょうがないっすよねー 」

俺、涙目

「 っっすよねえええええええええ 」

マンションまでの道のり、悲しいかな

ほんのひととき暴走族の気分を味わえ

た爆音の帰り道。蛇行なんかしちゃっ

たりして、涙目で

M先輩との思い出が詰まったバイク...

その後、親友がそのバイクを買い取って

くれて修理して復活をとげたとさ。

M先輩との思い出が詰まったバイク。

そのころ僕は親にワガママを言い、今度は

車を購入。

また浮かれ気味な僕。

それがまた大きな事件を起こすことになる

とは、まだ誰も知る由もなかった。ｺﾜｲｺﾜｲ

それな

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